第8回 断られ続けた支援活動

断られ続けた支援活動


前回までに段ボールベッドの医学的な効果をお話ししました。

また業界大手のバックアップも得て、どんどん供給できる体制が整いました。

さあ、これで沢山の避難所で、沢山の被災された方に使ってもらえる!

と、考えていたのですが、実際は全く、うまくいきませんでした。

良いものを無償で!


これって最高じゃないですか?

そう!最高なんですヽ(゚◇゚ )ノ

ですが、避難所の行く所行く所、断られ続けたんです。(((゜д゜;)))

暖かくて、動きやすくて、清潔で!

ベッドの中身は収納にもなります

ベッドは天板をめくると、それぞれの箱が収納になる。

大変便利です。

なのに全然、だめなんです!

でも、どうして?

被災地の皆さんは大変喜んでくれて、沢山ほしいって言ってくれるのじゃないの?

と、皆さんおっしゃいます。

しかし実際は全くその反対でした

ほとんど90%以上の避難所で、避難されている方は喜んで、ほしいと言ってくれたにもかかわらず、管理している職員が受け入れてくれないのです。

避難所の管理者は、市の職員や委託職員が多く、大体4~5時間交代。
次への申し伝えもうまくいきませんなにより自分たちには、導入を決める権限が無いと言うのです。

また前例のないことは極端に避けようとします。確かに段ボール製簡易ベッドは前例が無いかもしれませんが、避難者がベッドから落ちたら責任が持てない
などと言って決して認めてはくれませんでした。

津波に襲われて助かった人が、35センチのベッドから落ちて文句言うかな?

とは思いましたが、仕方ありません。

また上司に聞きます、と言ってくれる職員もいましたが、3日程回答がなく、そこから更に上司に聞いて3日掛ります。そうして結局、うやむやです!( ´(ェ)`)



管理者にベッドの必要性を説明する。
管理者にベッドを体験してもらう。

良いことは認めても、導入はなかなか実現しませんでした。

しかも、避難所の担当部署がはっきりしないから始末が悪い。

たとえば、小学校の体育館を使用した避難所の例です。

施設の管理は    教育委員会

建物そのものは   設備課

被災者は       保健福祉課

物資の窓口は    調達課

防災関係は      地域安全課

避難所の運営は   総務課     ←あくまでもサンプルです(*´Д`)=з

避難所一つに、これだけ担当部署があり縦割りになっているので、とてもじゃないですが決まる物も決まりません。

そんなこんなで、まったくもって進捗しませんでした。しかし、そんな状況もわからないわけではないのです。

職員も被災者



石巻市やその他の被災地では、職員も被災していますし、そもそも役所自体も被災していて身動きが取れないのも事実です。

そして、夜も寝ずに休みも取らずに一所懸命職務を果たしています。ですから、彼らを責めるわけにはいかないのです。それだけ被害が、想定外に大きかったという事かも知れません。

それでも、健康状態がみるみる悪化している状況をに目の前にして、赤十字の植田医師は決して諦めず粘り強く説得をして回り、少しづつ導入が実現してきました。

反面、即断即決の避難所も中にはありました。

後に出てきますが,
商工会議所のリーダーが管理者をしていたり,
県の感度の高い職員が、即決してくれたなど。

その時は本当に気持ちが良かったです(ノ´▽`)ノ

現場に権限を!

ともあれ、うまくいかない原因を考えてみました。一つは、有事にもかかわらず、平時の組織運営しかできなかったことです。

普段大切にしている公平性を期するあまり、行動が大幅に遅れ被害が拡大していました。

たとえばおにぎりが100個届いた避難所に101人避難者がいたとします。そうしたらおにぎりは配られません。不公平になり市民からのクレームを恐れるからです。

しかしそれは平時の話であって、有事の際は優先順位をつけることが重要なのです。

要は弱者から施す。子供たちや高齢者や女性を優先する。若い男性には申し訳ないが少し我慢をしてもらう。

いわば支援のトリアージです。

このような様子は、どの被災自治体でも見られたのではないでしょうか?

やはり、政府は非常事態宣言を出して(少なくとも、原発事故発生後には)
平時の体制から有事の体制に移行して、個別最適ではなく、全体最適の判断を強権でできる環境を作るべきでした。

また、現場への権限委譲も為されていませんでした。

事は現場で起こっているのです。決して机の上ではないのです。

↑どっかで聞いたことあるな!

有事の際は、現場の最前線にいる人が状況把握の後、即断即決で行動を起こし、問題が発生すれば改善に取り組み、そして失敗をしてもそれを責めない体制が必要です。 

何もしないは何もしないのではなく、何もしないことをしている。

いわゆる、不作為の作為では、どんどん被害が拡大していきます。

実際、災害発生から1週間以上経っても、食料などの支援物資が届かなかった避難所が沢山あったのです。しかも県などの集積拠点には物資が溢れていたにもかかわらずです\(*`∧´)/

ですから自治体に限らず、民間組織でも日ごろから権限委譲の訓練をして、少しでも指示待ち人間を減らす事がいいかもしれません。

こんな感じで、この後もたびたび振り回されることになりますが、私は、被災者が待ってくれている以上、諦めることなくこの活動を進めていくことにしました

そしてこのことが後日、大きな発想の転換に繋がることになるのです。

続く