第35回 初めての試み!段ボールベッドを展開した模擬避難所開設

震災後約2年で全国122市町村と防災協定締結



私はこの2年以上、東日本大震災の教訓を活かすため、避難所の環境改善で震災関連死や2次的な健康被害の低減を目的に、段ボールベッドの普及を進めてきました。


平成25年7月の時点で、段ボールベッドに関する防災協定も全国122市町村にまで拡がり少しずつ流れが出てきたように思います。


しかし、全国には1742もの市区町村がありますので、同じペースで行くと約30年もかかってしまいます。それでは次の災害までに間に合わないので、また同じことが繰り返されます。


そこで広く避難所の環境改善が重要だということを知ってもらう為に、シンポジウム及び段ボールベッドを展開した避難所を作ることにしました。


私はストップザ雑魚寝!実行委員会を作って事務局を担当することに!


ちょうど関西大学と吹田市が防災協定を結び避難訓練を計画中と聞きつけて、共催を申し込んだところ実現することに。



主催 ストップザ雑魚寝!実行委員会 吹田市 関西大学

共催 佐賀大学 新潟大学復興科学研究所

後援 大阪府 佐賀県 新潟県 日本赤十字社大阪府支部



以上の陣容で平成25年5月18日、午前は関西大学東体育館で避難所設営訓練、午後からビッグホール100でストップザ雑魚寝!シンポジウムの開催です。


いよいよ、今までだれも見た事が無い段ボールベッドを設置した避難所の設営です。今まで防災協定を締結した自治体も、実際にはやったことがない規模で避難所開設するので大いに参考になると思います。



初の簡易ベッドを展開した避難所を設営!


さあ、大阪府吹田市の防災訓練で避難所設営訓練の始まりです。

朝9時30分の開会挨拶の後、関西大学千里山キャンパスの東体育館に段ボールベッドを満載したトラックが横付けです。多くの人の手でバケツリレーして搬入しました。

段ボールベッドが命を守る  段ボールベッドが命を守る


メーカー社員による段ボールベッドの組立デモンストレーションの後、市民や学生や市職員で一斉に100床を組立。


段ボールベッドが命を守る   段ボールベッドが命を守る


段ボールベッドが命を守る   段ボールベッドが命を守る



フロアを、急性期(発生3日程度)のエリアと、亜急性期(4日~数か月程度)に分けて設営しました。


各市町村の地域防災計画には、避難所の1人あたりのスペースは1,8㎡~2㎡が多いので、急性期エリアは2㎡になるように設営。


急性期は、多くの被災者が避難所に殺到することが予想され、1人あたりのスペースが限られるのです。実際に、東日本大震災でも津波到達自治体では人口の20%一時的に避難所に殺到したそうです。


ただ、人口密度の高い避難所は、エコノミークラス症候群の発症率が高いことが判明しているので、できるだけ速やかに被災者を分散させて、一人あたりのスペースを増やすことが重要です。


下記のグラフは、石巻赤十字病院の植田医師によって示されている、血栓症の発症と経過時間のグラフです。当初45%の発症率が、時間と共に10%ほどに徐々に低下したのですが、学校再開の際に避難所を集約したところ、また35%以上まで跳ね上がっています。


これは避難所の人口密度が血栓の発症率に影響を与えていることを示唆していると、植田医師は指摘しています。

段ボールベッドが命を守る



ですから急性期以降の亜急性期は、自宅に帰れる人は帰るのでスペースに余裕ができ、その分家族の人数分のベッドを連結して広い上がり間を作り、プライバシーをある程度守った少しゆとりある生活スペースに変えていきます。



以上のように、今まで実際に見たことも体験したことがないことですので、今後各市町村の防災担当の参考になると思います。




段ボールベッドが命を守る   段ボールベッドが命を守る


段ボールベッドは、子供でも高齢者でも簡単に作れるので、約1時間半で段ボールベッドを製作して設置完了。100床も意外と早く完成しました。


段ボールベッドが命を守る  段ボールベッドが命を守る


その後は、皆さんで段ボールベッドを体験。寝心地もよく床に直接雑魚寝をするのと比べればその差は歴然です。下の写真は従来の雑魚寝の避難所です。

段ボールベッドが命を守る   段ボールベッドが命を守る

日本の避難所を変える!


日本の防災は幾多の災害を乗り越えて、世界でも先進の防災大国と言われています。しかし残念ながら、長期避難生活に関する取り組みは全くと言っていいほどなされてきませんでした。いわば避難所に関しては大正時代の関東大震災から何も変わっていないのです。


そこで、東日本大震災で初めて使用され好評を得た段ボールベッドを、災害時には確実に避難所に届けることができる防災協定を、全国に拡げたいと思い活動しています。


なぜなら、東日本大震災の教訓を活かし二度と同じことを繰り返さないことが、被災で亡くなった方への弔いにもなると思っていますからです。


今後は、雑魚寝の避難所は一切容認しない。ストップザ雑魚寝!です。


私達の会社、Jパックス㈱のホームページです。
http://www.jpacks.co.jp/

続く