第一義的には段ボール製でなくていもいい
東日本大震災後、避難所への段ボール製簡易ベッドの導入の話を進めてきましたが、そもそもなぜ段ボールなのか?をお話しします。
皆さん、段ボールを作る会社があるってご存知ですか?
当たり前やろ!知ってるわ!
君の会社がそうやろ?
などなど、色々だと思います。
でも、仕事で何らかの関わりのある方以外は、興味も関心もあまり無いのではないでしょうか。
避難所の世界標準は簡易ベッド
先にも書きましたが、日本の避難所では雑魚寝がほとんどですが、これは世界的に見ても大変稀で、グローバルスタンダードは簡易ベッドなんです。
それは、ベッドの文化だからとも言えると思いますが、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)予防の観点から第2次世界大戦中の1940年ロンドンの例を最後に、世界の常識になっています。
ハリケーンカトリーナの時の避難所の様子
簡易ベッドが避難所のグローバルスタンダード
反面、日本は畳文化のせいか、床に雑魚寝に抵抗感はありません。
けれど、畳って土間ではないので一段高い所にあって、土間の埃を吸い込むことはありません。
また実際、医学会で呼吸器系の分野では30センチ以上床から上げる事が推奨されてもいます。
たとえば病院ですが、床や廊下にそのまま寝るっていうのはあり得ないですことです。
ですから、病院と同じである避難所で、雑魚寝の長期避難はあり得ないって考えるべきなのです。
そう、第一義的にはあくまでも避難所には簡易ベッドが必要だということです。
避難所の人口密度も大きな問題
しかし、それなら日本でも普通の簡易ベッドを導入すればいいのじゃない!って思いませんか?
そうですね。
パイプ製やクッション材の簡易ベッドなどが思い浮かびます。
しかし、それらには災害時に運用するに当たって少なからず弱点があるのです。
避難者に優しい段ボール製簡易ベッド
段ボール製であることのメリットを羅列してみます。
①空気の層で出来ているので暖かい
②余震の揺れや歩行者の振動を伝えにくい
③いびきや咳などの騒音も和らげてくれる
④昼間は椅子替わりになる
⑤ベッドの中身は収納になる
⑥仮設住宅に引越しの時は引越しの箱になる
などなど。
被災者はただでさえ、沢山の問題を抱え先行きの不安を抱えています。
更に、不衛生で人口密度が高くプライバシーの無い空間に、長期間に渡りほぼ軟禁状態になるわけですから、高ストレス状態を強いられます。
そんな環境を少しでも和らげて、安心して睡眠をとってもらいストレスを癒してくれるのが段ボール製簡易ベッドなんです。
自治体にとっても優しい段ボールベッド
段ボールベッドならではの特徴
自治体にとっても大きなメリットがあります。
①コストが安い →他の簡易ベッドの半分以下
②強度が強い →均等荷重で、約9トン耐える
③大量生産できる →最大で1時間で1,000床作れる
④全国に3,000社ある →どこで何があっても対応可能
⑤リードタイムが3日 →備蓄が不要
⑥処分が簡単 →リサイクルで簡単処分
段ボールは以上のような特性があります。
自治体にとっても、備蓄が要らず必要な数量を、3日で何床でも作れるメリットは非常に大きく、防災協定の締結の決め手になります。
備蓄倉庫も管理も要りませんし、なにより予算を立てる必要もありません。
愛称を考えた!
そんな中、医師から段ボール製簡易ベッドというのも何なので商品名を考えたら?とアドバイスを頂きました。
さんざん考えた挙句、
決めました。
その名は、
だん だん
暖段はこベッド!
一応、商標登録もしました(^O^)/
そして、これも医師のアドバイスで意匠登録も申請中です。
日本国内のみを対象にしていますが、法的に権利を確定していないと、中国などの海外勢が勝手に権利を取得して、活動するにはこちらがお金を払わないといけない羽目になるそうです。
そのうえで、
あくまでも商売ではな無く、大災害と言う国難の時に、被災者救援を目的として活動をしているので、
設計図を、思い切って業界団体に無償で公表しました!ヽ(`Д´)ノ
もともと、全国のほとんどの同業者が生産できるように、という思想で設計したもので、次の災害が全国どこで起きても、同じ仕様で避難者に行き渡らせる事ができるからです。
しかも、自治体との取引き?は該当企業と直接やってもらいます。
防災協定第1号の愛知県新城市
たとえば愛知県が震源となる大地震が起きた場合、愛知県の段ボール会社も被災する可能性が高いですよね。
ですから、近隣の被災していない最寄りの段ボール会社から輸送する方法を取ることによって、供給力が担保されます。
この仕組みを作れば、日本中で災害時の2次的な健康被害を減らす事ができるのです。
災害関連死は阪神大震災では1,000人弱でした。
東日本大震災では、発災後1年ですでに1,300人を超えたそうです。
直接の災害による死や怪我は、ある意味仕方が無いのかも知れません。しかし、避難所で命を落としてはいけないのです。
何故なら、地震で助かった幸運な人が避難所にいるわけですから。
この事を是非、皆さんに知ってもらいたいと思います。
以上のように、支援活動を始めて1ヶ月程で将来の活動プランが出来上がりました。
後は実行するのみです。
続く