宮城の岩手さんで一宿一飯の恩義を頂き、名残惜しい気持ちでいっぱいでしたが、次の目的地宮城県栗原町に向かいました。
人生3度目の津波を経験したおばあちゃん
再び榛沢医師と待ち合わせをして、南三陸町で被災した人が集団避難している、宮城県栗原町の一迫老人福祉センターにやってきました。
この栗原町は東日本大震災では、被災各地の中で震度7と言う一番激しい揺れを記録した町です。
しかしながら、今回の地震では死者行方不明者はともにゼロ!(ノ゚ο゚)ノ
宮城県の内陸部だったこともあり、重軽症者や家屋の倒壊など多少の被害はありましたが、震度7だった割には被害は少なかったのです。
やはりそれだけ今回の災害では、被害の殆どが地震そのものよりも、津波にあったということです。
また平成20年には、震度6強の岩手宮城内陸地震が起こり、その経験のもと被災者の受け入れなど、震災対応は非常に速くかつ柔軟に対応をした自治体です。
一迫老人福祉センターは、避難所としては環境が良く、畳敷きでとりあえず生活する分には不自由は無さそうでした。
しかし、現代では高齢者の6割以上がベッドで寝ていて、畳敷きとはいえ避難生活で腰を悪くし、1ヶ月の入院を余儀なくされたこのおばあさんにとって、床に寝るのはやはり苦痛です。
さっそく、段ボール製簡易ベッド20床を搬入組み立てて、座り心地寝心地を伺ってみましたら、
ありがとう!ありがとう!寝起きが楽になった。
と言って、大変に喜んでくれました(*^▽^*)
子供達に迷惑掛けたくないので寝たきりはいやだ!と言うお婆さん
なんと、このおばあさん。人生3度目の津波だそうで、昭和三陸地震津波、チリ地震津波、そして今回の津波です。
すごい幸運の持ち主!
また後日、このおばあちゃんと段ボール製簡易ベッドの記事が、日本経済新聞に掲載されることに!\(゜□゜)/
↓5月20日付日本経済新聞朝刊社会面に掲載された
http://wyakuman.ldblog.jp/archives/3395853.html
段ボール製簡易ベッドはエコノミークラス症候群の予防に有効だと訴えることができました。
栗原町を出発して、近くの宮城県立循環器呼吸器病センターで、段ボール製簡易ベッド20台を病院に備蓄してもらいました。
窓口の柴田医師も、以前から避難所に簡易ベッドの導入を訴えていた先生です。
そして再び石巻赤十字病院へ。植田医師、松本医師と合流して、東松島市の避難所での検診と段ボール製簡易ベッドの設置に向かいました。
避難所では、まず医師による下肢へのエコー検査です。この避難所でも当たり前のように雑魚寝でしたが、やはり高い確率で血栓が見つかっていました。
医師の熱い気持ちに感動
さあ、私と、植田医師、榛沢医師、松本医師、赤十字のスタッフで段ボール製簡易ベッドの組み立てです。
まずは、トラックからの荷降ろしですが、
なんと医師が汗だくになって重い段ボールを担ぎ、そしてひとつひとつテープで組み立ててくれたのですヽ((◎д◎ ))ゝ
私の仕事なんでこちらでやりますから、と言っても聞きません。
家族4人分のベッドを合わせて土間に対して、上り間のようにした
それは本来ならばあり得ない光景です。翌日、手術が控えていると言いながらその重労働を止めようとしないのです。
避難所では、エコノミークラス症候群の他にも
①津波が運んだヘドロが乾燥して、それが大量に舞っていて、咳症状が多く発生。
②東北地方では梅雨になるとストーブが必要なほど気温が下がり、再び低体温症の危険性も。
③高齢者は雑魚寝をすると、起き上りにくく、やがて寝たきりになる。
などのさまざまな健康リスクがあります。
後日再訪した時、ベッドを入れてから咳の症状が無くなったという女の子
そんな厳しい状況の中、医師として被災者に健康状態を改善してもらいたいと言う、強い気持ちがあったのです。
段ボールを生業としている私は申し訳ない気持ちで一杯です(w_-;
この時、医師や医療関係者の献身的な姿が強烈に印象に残り、この活動を続けていかなければならないと、決心しました。
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050401000550.html
↑共同通信から配信された記事
続く