ラジオ初出演
第11回で、5月4日東松島市の避難所で避難者50人全員分の段ボール製簡易ベッドを提供した事を話しました。
その時は組み立てるのが大変でしたが、有難い事に医師や医療関係者に交じりマスコミの方々も、汗だくになって手伝ってくれました。
NHKラジオの松村さんです。松村さんは被災地の現状を取材しようと、休日も自費で被災地入りしていたのです。
その松村さんに取材を受け、後日全国版で放送されました。
段ボール製簡易ベッドの活動を知ってもらい避難所への導入を拡げ、多くの被災者に使ってもらいたいと言う思いでしたので、大変ありがたい事でした。
↓NHKラジオの放送内容
後に聞いたところによると、やはり沢山の人がラジオを聴いており反響が大きかったそうです。
40日で5回目の東北訪問
5月11日夕方、今回は材料の提供をお願いしているセッツカートン㈱の営業マンと一緒に、宮城県に向けて出発しました。その彼は、前出の西川常務の息子です。
4月1日からほぼ毎週末、40日で5回目の東北入りで、自らトラックを運転して走った距離は優に10,000kmを越えてきました。
さすがに疲労がたまって来ましたが、今回は乗用車で交代要因もいます。頑張って宮城県を目指す事にしました。
5月12日午前9時、仙台市若林区役所に到着。そこで区内の避難所リストを頂き、段ボール製簡易ベッドのデモンストレーションを行います。
若林区の荒浜地区は、仙台市でも大きな被害があったところです。
担当者にベッドの説明をする
ふかふかの布団が並ぶ避難所。しかし届いたのは震災後2カ月経ってから。
5か所程避難所をまわりデモをしましたが、避難者には好評なものの、やはり導入には至りませんでした。
徹夜で走って行って、避難所で断られるのはかなりきついものがありますが仕方ありません。
諦めて、もうひとつの大きなミッションを果たすため、次の目的地に向かいました。
振り回される
4月9日に名取市の避難所に導入した、㈱ヒラカワガイダムの災害用仮設シャワー&お風呂の第2号が完成しました。
平川社長からの依頼で、適切な設置場所を探して寄贈をするという大きなミッションです。
何せ、1日最大1,000人が入れるお風呂です。出来るだけ大きな避難所で沢山の人に入ってもらいたい、そう思っていました。
そこで前出の岩手さんにお願いをすると、気仙沼市のケーウェーブと呼ばれる総合体育館に設置をすることが無事決まりました。
ケーウェーブでは、5月の時点で約800人の避難者が生活をしていて、しかも2ヶ月もお風呂が無く、皆さん大変困っていたのです。
避難規模と言い、岩手さんの地元と言う事もありベストな選択でした。
しかし、ケーウェーブの責任者は5月のGW中はしっかり休みを取っているらしく、全く連絡がとれません。だんだん日にちが迫ってくるのに納入の予定もまったく決まりませんでした。
そしてGW開け、やっとのことで連絡が取れ、設置の日程の事を切り出すと、
な~んと!((((((ノ゚⊿゚)ノ
”要らない”というではありませんか!
最初、耳を疑いました。
約800人が2カ月もお風呂に入っていないのです
5月ともなれば、昼間の復興作業では汗もかきます。泥も付きます。
しかも600万円相当のお風呂を平川社長の厚意で寄贈するわけです。
たいそう皆さんの笑顔が見れると楽しみにしていました。
何故なんですか?って聞いても返事はありません。
市の職員OBの館長に、やっと聞き出した言葉を聞いて驚きました。
上といろいろ相談をして、今回はパスします!
パスします?
意味がわかりません。
↓平成23年5月9日のツイッターから引用します。
確かに理解に苦しみますね。気仙沼市民の笑顔が見れるのを楽しみにしてましたので。残念です。RT @kayoco_i それが社長、入浴施設、某体育館に要らないと断られました!800人が一週間に一度しかシャワーに入れかてないのに‥。信じられません。
posted at 19:15:39
しかし、平川社長に返事をした以上こちらにも責任があります。またまた、岩手さんに事情を説明して、他を当たってもらいました。
そして、仙台市の幹部を通じて回答が来ました。
仙台市若林区役所に設置してほしい!
私は安堵の気持ちで平川社長に報告をしました。
前日の5月11日、お風呂を積んだトラックはヒラカワガイダムの滋賀工場を出発して若林市役所を目指して出発しています。
そして私たちは若林区役所に向かう事になりました。
そして平川社長と現地で合流して区役所に入ろうとしたその瞬間。
携帯がぷるるる~ん!
役所の担当者からです。
今日、設置予定のお風呂、やっぱり要りませんので!
なに~!
社長も風呂を積んだトラックも到着しているのです。
理解に苦しみました。
なぜ、断るのか?しかも設置当日に!
被災者の為にと言う気持よりも、何か自分にとって不都合があったのかもしれません。それはいまだに不明ですが!
いずれにしても、またまた振り出しに戻ってしまいました(ノ゚ο゚)ノ
以前にも記したように、支援というものがこれほど難しいのかという事を、改めて痛感です。
気を取り直し、再度岩手さんに連絡を取り泣きつきました。
さすがに、お風呂を滋賀まで持って帰るわけにはいきません。
そうするとしばらくして、嬉しい返答が!
またまた、気仙沼市の老舗旅館、大鍋屋さんが受け入れてくれたのです。
やっとのことで、寄贈先が決まりました。
翌日、ヒラカワガイダム社長以下数名の社員と共に気仙沼市に入り、無事お風呂を設置。ガスの復旧がまだで、お風呂の不自由な近所の皆さんに利用してもらう事になりました。
後日、聞いたところでは近所の方々に大変好評だったそうです。
そりゃそうですよね。お風呂は本当にありがたいと思います。
続く