日本静脈学会
6月30日、12回目の被災地入りで、今回は仙台市、石巻市に向かいます。
その日は、仙台国際ホテルで開催される日本静脈学会で、暖段はこベッドの展示と、なんと私の学会発表が予定されていました。
新潟大学の榛沢医師からの依頼で、今回被災地で活躍した暖段はこベッドの事をを発表することになったのです。
学会会場で展示
演題は、
”被災地への段ボールベッドの供給スキームについて”
です。
それにしても、前代未聞です!(@_@)
段ボール屋さんが医学会で発表する訳ですから!
これはえらい事になったと、かなりビビっていましたがやるしかありませんヽ(`Д´)ノ
今回、被災地でエコノミークラス症候群への対策を進めていた医師が中心となって”災害とVTE”と言う題で発表するのですが、その最後に私の出番が回ってくる事になりました。
VTE。。。。静脈血栓塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群
始まってみると意外と大丈夫だった
いよいよ、段ボール業界始まって以来の医学会での発表です。
緊張もしていましたがそうも言ってられませんので思い切って発表を始めました。
すると、使用しているプレゼンツールPrezi※のお陰もあって、順調にすすみ。。。。
と思いきや、座長の偉い先生から時間が押しているから早くしてほしいと言われ、最後は飛ばしてまくって、気がついたら発表は終わっていました。
あっけないものですね!
なれない発表でしたが、プレゼン能力はビジネスでも大変大事ですので、もっとスキルの向上も必要だと痛感しました。
そしてこれ以降、新潟大学の榛沢医師を中心にして、各地で開催される様々な分野の学会で段ボール製簡易ベッドは発表及び展示されることになります。
※プレゼンツールPreziとは?
チェックしてみてください。パワポよりずっと楽しく印象的です。
上座の真ん中に座らされて恐縮至極
この日の学会終了後、先生たちとお疲れ様会です。
エコノミークラス症候群の予防の為に段ボール製簡易ベッドを開発し、2,000床以上を運び込む為、12回も被災地入りをこなした私の為に、お疲れ様会を開いてくれると言うのです。
すごく嬉しい気持ちと、申し訳なさで恐縮至極です。(´д`lll)
結局お言葉に甘え、美味しいお酒と海の幸をたっぷり御馳走になりました(*^ー^)ノ
私のほんのちょっとした自慢です。医者におごってもらった~!v(^-^)v
再び石巻へ
翌日は、避難所へ暖段はこベッドを運びいれるために石巻市に向かいました。
石巻市と言えば、大活躍したあの有名な石巻赤十字病院のお膝元です。さぞかし避難所の環境も改善されているだろうなとお思いになるでしょう。
しかし、実態は違います。
震災直後より、赤十字の植田医師が中心となって避難所の環境改善を訴えて、エコノミークラス症候群などの慢性疾患を予防しようと精力的に活動していました。
しかしです。5か月目に入ろうとする7月初めになって、やっと段ボール製簡易ベッドの導入が実現したのです。
巨大なハエが飛び回っている
一段高くなる事で衛生的に
季節はもう夏です。どんどん気温はあがり、空調設備のない体育館は蒸し風呂状態。そして床は埃だらけ。一部ではカビも生えています。
さらに、不衛生な環境で巨大化したハエが大量発生。
なんと、体育館では1人に1本のハエ叩きとハエ取り紙が支給されているのでした。
そのような状態になってもまだ、職員は段ボール製簡易ベッドの導入を拒んでいたのですが、植田医師が半ば強引に導入を決行したのです。
誤解を恐れず、ここで敢えてはっきり言います。
このころになると、お金や力のある人は避難所を脱出して、自力で新しい生活を始めています。
しかしその反面、避難所に残された人は、力やお金がなく、もはや人間らしい生活をするという、基本的人権すら停止してしまっているのです。
そう彼らは、津波に家や財産を流されたホームレスなのです。
これで本当にいいのでしょうか?
暖段はこベッドは入れれば、せめて住環境だけでも改善できるのに!
しかも、無償で全員分を提供すると言っているのに!
なぜ断わられてしまうのか?
私達は、
これはひょっとしたら災害時の対応の制度そのものを、根本的に変えてしまわないといけないのかな?
と、心の底で思い始めていました。
この日、長期間にわたり取材をしてくれた関西テレビのクルーと最後の食事です。
仙台の名物牛タンを頂きながら、いろいろな話に花が咲きました。
続く