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2012.07.09

第29回 特別編 イタリア北部地震の被災地②

医食住が整った避難所環境




段ボールベッドが命を守る

イタリア赤十字の救急車




ここフィナーレエミリアの避難所には約500名の被災者が生活をしているのですが、イタリア赤十字が駐屯していて避難所の運営をしていました。

そのスタッフ用のテントを拝見です。


生活の場所について
段ボールベッドが命を守る
避難所には家族単位のテントが数百張り



段ボールベッドが命を守る
当然ベッドが配置されている

中は、当たり前のように簡易ベッドが設置されていて、床に雑魚寝ということはありません。これだけでも、寝起きが容易で活動性も保たれます。またもちろんテント内は土足なのですが、地面から30センチほど高いので床の誇りを吸うこともありません。

さらにこの時期テントの中は非常に気温が上がりますが、もちろんテント1張りに1台クーラーも設置されています。東北の避難所は体育館が多く締切にできないので、真夏でもクーラーは設置されず、数台の扇風機がカラカラとまわっているだけでしたので雲泥の差です。



食事について。

段ボールベッドが命を守る
大きなテントに食堂があり集会場にもなっている


段ボールベッドが命を守る

奥に小さく見えるのが移動調理車

避難所内には数百のテントが張られていますが、ひときわ大きいテントがありました。それが食堂です。移動調理車で温かい食事を作り、一か所でまとめて食事を摂っているのです。


日本では一部の恵まれた避難所を除いて、ほとんどが冷たいおにぎりやパンやお弁当でしたから、当初から栄養面に配慮した温かい食事の提供は素晴らしいと思いました。

また食堂へは自分のテントから歩いて行かなければならないので、活動性も維持されますし、大勢の人との食事は、たくさんのコミュニケーションも生まれます。避難所生活での数少ない楽しみになっているのではないでしょうか。


トイレとシャワーについて。

段ボールベッドが命を守る

清潔なユニット式トイレ&シャワールーム


段ボールベッドが命を守る

避難所内はすべてバリアフリー化されている

ユニット式が設置されていて、洋式(当たり前ですが)水洗トイレとシャワーが一体になっています。中は清掃が行き届いていて非常に清潔に維持されていますし、その上バリアフリーなので車椅子でも簡単に利用できます。

血栓症予防の観点からも、高齢者がトイレに行きやすい環境は大変意味があると思います。


日本の避難所

次に比較用に東日本大震災の時の避難所の写真を掲載します。

住環境について
段ボールベッドが命を守る
プライバシーが全くない避難所


段ボールベッドが命を守る
体育館の床に薄いシートを敷いただけの寝床

日本の避難所は建物の屋内が多く安心なのですが、プライバシーが全くありません。それに雑魚寝が基本ですから、エコノミークラス症候群や寝たきりなど、さまざまな慢性疾患の危険性があります。

何より、長期の生活スペースとは思えないですよね。

トイレお風呂について
段ボールベッドが命を守る
屋外の仮設トイレ 和式が多く高齢者には使いづらい


トイレもその多くが断水していたせいか、使用禁止か使えても極めて不潔な状態、もしくは工事現場用の仮設トイレが多く、和式が多かったです。

当然ですが高齢者は和式は使いづらく、トイレに行きたくないので水分を控えてしまいます。その結果、血が濃くなり血栓症に繋がっていくという悪循環に陥っていました。

またお風呂は、なかなか設置されず数か月お風呂に入っていない不衛生な状態が続いた避難所もたくさんありました。シャワーだけでもあればずいぶん清潔になると思うのですが。



食事について
段ボールベッドが命を守る
寝床で食事をとっている

食事についても、日本の避難所は各生活スペースである寝床に配られ、その場で食べていました。当初は、おにぎりやパン、お弁当が主で、炊き出しなどの活動がある時以外は温かい食べ物が配られませんでした。

また当初は、栄養なども考慮された食事も望むべくもなく、炭水化物中心で太ったり体調を崩す人が多かったのです。



検証の必要性

昨年私は、約50か所近くの避難所を訪れましたが、ありとあらゆるサービスが場所によってばらばらでした。それは

おそらく被災者の対応主体は、市町村に任されているという事で、どこに住んでいるか、どの避難所にいるかということで全く待遇が変わってくるのです。

当然、被災者はいくつもの避難所を比較対象できるわけがありません。市町村としてもできる限り平等なサービスをと考えているようですが、それが少しも機能せず悪い側面だけが目立っていました。



被災地では特に想定外という言い訳で埋め尽くされ、行政の責任はついに追及されることなく時間が過ぎています。


本当にあの過酷な避難環境を強いられるしかなかったのでしょうか?

行政の責任として、最善の方法で被災者支援をやったのでしょうか?

行政の通知簿のようなもので、検証と評価をしているのでしょうか?





市町村と都道府県と国とが、お互い責任をうまく免れて、時の経過を待って良しとしているように思えてなりません。

イタリアの避難所を見学してそう思わずにはおれませんでした。

続く

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