まさかのコロナ伝染病の蔓延で世界中の人々の生活がガラリと変わってしまいました.私は,東日本大震災の直後に段ボールベッド「暖段はこベッド」を考案して以来,避難所の環境改善の活動をしてきましたが,コロナがきっかけでは避難所が少し変わろうとしています.
「コロナと災害」.大変悩ましい問題です.そもそも,避難所は人口密度が高い場合が多く「3密」にならざるをえません.災害が起こると人々は避難所に殺到しますが,一方で避難所の用意は限定されているからです.しかし,コロナを理由に避難所での受け入れを拒むことはできません.何より災害からなんとしても命を守らないといけないからです.したがって,3密を回避するには高度な工夫が必要です.避難者を出来るだけ収容して,さらに感染症にも対応する.本当に難しい問題です.
コロナウイルスは当たり前ですが目に見えません.残念ながらウイルスに対抗するにしてもワクチン意外に決定打は無いのです.だから,考えうる出来るだけ多くの避難所の環境整備が求められます.
その一つが,パーソナルスペースを区切る,パーティション「暖段まじきり」です.
https://danbed.jp/lp/#first__area
このパーティションは高さが145cmで,従来のパーティションよりも55cm高くなっています.避難者がベッドに座れば顔がすっぽり隠れて飛沫の拡散を防ぎます.
また,高すぎるパーティションにはデメリットがあります.
避難所内を巡回する医療者の目配せができなくなり,体調不良者の発見が遅れる恐れがあります.特に,コロナ感染症は急激に容態悪化することが多数報告されています.145cmの高さは,女性の平均身長159cmの場合に鼻の位置ほどになりますが,これは遠目では内部が見えないが近寄ると声かけができる高さです.人の繋がりを分断しすぎないことも重要です就寝時には,咳が出ると天井に向かって飛沫を吹き上げますが,段ボールの覆いを付けたので,吹き上げも遮断します.
また誰でも簡単に10分ほどで作れます.1枚の段ボールパーツをLEGOのブロックのようにつなぎ合わせていけば,一人用,二人用,四人用,大家族用とどんどん拡大できます.
コロナ対策パーティション「暖段まじきり」は,コロナ対策以前に避難所の課題であったプライバシーを確保したり「暖段はこベッド」を組み合わせることで,雑魚寝を無くします.これは実は,避難所の環境レベルを上げることにもなるのです.
コロナをきっかけに,日本の避難所が大きく変わることを期待しています.